2006年11月10日 (金)

遺言

お久しぶりの更新です。

これは先日行った行方調査でのお話。

依頼者の話によると、手紙や電話などでやりとりのあった、昔の上司にある日電話したら、不通になってたとのことで、心配になって調査を依頼しに来たとのこと。

最後にその対象者と連絡を取ったのは、今年の8月に対象者から電話が掛かってきて、話したのが最後とのことだった。

依頼者から出された資料は、8年前の年賀状と、4年前の手紙。
この2つだけだった。

まずは8年前の年賀状にあった住所を訪ねると、そこには大きなマンションが建っていて、対象者に所縁のあるものは残っていなかった。

次に4年前の手紙の住所を訪ねてみた。
そこには平屋建ての文化住宅みたいな家が建っていた。
しかし、当該住所の家はすでに空き家になっていて、人は住んでいなかった。

周囲を念入りに聞き込みを進めていくと、近くに当該住宅の大家が住んでいる事が分かった。
さっそくその大家さんに聞き込みをすると、対象者は今年の夏に亡くなっている事が分かった。
大家さんから、対象者の荷物を引き取りに来た息子さんの勤務先を聞き出し、その会社に行ってみた。

外出中だった息子を待って、対象者の事を聞いてみると、対象者は今年の5月に外で倒れて入院し、危篤状態のまま7月7日に亡くなった、とのことだった。
息子から納骨場所も聞き、翌日その仏壇にも行って、証拠映像を撮影し、依頼者に報告をする事にした。

調査の結果、対象者が亡くなっている事、亡くなるまでの様子、納骨場所などを報告した。

ここで、腑に落ちない事を感じていたボクは、依頼者に聞いた。

「あの、最初にお話伺った時、8月に対象者から電話が掛かってきたっておっしゃってましたよね?」

「はい。」

「今ご報告したとおり、対象者の方は5月には倒れられて、それ以来人とまともに話す事ができない状態だったんです。」

「え?」

「どんなお話をされたんですか?」

「えぇ、風邪をひいたって・・・・・肺がよくないからって・・・・」

「息子さんの話でも、たしかに亡くなる前には肺がお悪かったようです。」

「でも、声の感じがちょっとだけ、雰囲気が変わったような感じはあったかもしれません。でも、あの方に間違いないです。」

「はい。私も○○(依頼者)さんがウソをおっしゃる方とは思えません。それに、5月と8月を間違えるとは思えません。」

「ひょっとして・・・・・」

「○○さん(対象者)が○○さん(依頼者)にお別れを言いに来られたんじゃないですかね?」

依頼者の方は、ハッとした顔をしたあと、みるみる目に涙が浮かんだのでした。


今回の調査で、報告書のために仏壇を撮影したのも初めてだったけど、こんな不思議な事が起きた調査も初めて。
世の中には不思議な事もあるものです。

| | コメント (0) | トラックバック (5)